阪神

  • 印刷
宮城県山元町の居酒屋で開かれた落語会の様子=2019年7月、同町(大川亭さくらさん提供)
拡大
宮城県山元町の居酒屋で開かれた落語会の様子=2019年7月、同町(大川亭さくらさん提供)
被災地で毎年落語を披露しているアマチュア落語家の大川亭さくらさん(60)、エフエムあまがさきでパーソナリティーも務める=尼崎市昭和通2
拡大
被災地で毎年落語を披露しているアマチュア落語家の大川亭さくらさん(60)、エフエムあまがさきでパーソナリティーも務める=尼崎市昭和通2
神戸新聞NEXT
拡大
神戸新聞NEXT

■被災地で即席寄席

 「落語の登場人物みたいにアホな人もおるから頑張ろか-そう思ってもらえたら」。2014年から年1回、宮城県の飲食店や公民館などで即席の寄席を開く。「本当にささやかなこと。押し掛け女房みたいなもんです」と謙遜して笑う。

 11年の東日本大震災当時はFM放送局「さくらFM」(兵庫県西宮市)でパーソナリティーを務めていた。発生直後、被災地を元気付けようと、「ありがとう」「大好きだよ」と市民の声を録音したデータを東北の各FM局に送信。宮城県山元町の臨時FM局が放送し、交流が始まった。

 14年秋、現地のFM局関係者に案内され、初めて被災地を訪問。小学校が流された現場などを目の当たりにし、阪神・淡路大震災の記憶がよみがえった。「ちゃんと見なあかんのに、目をそらしたくなった」

 その際に訪れた仮設住宅で「素人芸で良かったら」と落語を披露。こんな時に笑いは不謹慎ではないか-との迷いもあったが、「町の復旧の後には、心の復興が必要。笑いは必ず人の力になる」と思いを込めた。

 「震災を忘れて笑いました」。後日、さくらFMに60代の男性から感想が寄せられた。「人に喜んでもらう幸せの温度ってこんなに高いんや」。1回限りの打ち上げ花火にはしたくない。継続することを決めた。

 以来、毎年足を運ぶ。「友だちとして遊びに行く感覚。支援というより、無理やり大好きな落語を聞いてもらっている」。レギュラー番組を持つFM局「エフエムあまがさき」(尼崎市)でも現地の様子を伝える。リスナーには「皆さんが東北でおいしいもの食べてきれいな景色を見ることが何よりもエールになる」と呼び掛ける。「無理なく、楽しく」がモットー。今年も被災地に笑いの花を咲かせる。(名倉あかり)

     ◆

【被災地からメッセージ】

2年前から訪れている山元町の居酒屋「旬魚酒房金八」の女将、引地裕子さん(58)

 1983年にすし屋として始まった店は津波で流されて全壊。最初は何も考えられなかった。自宅兼店舗があった場所は危険区域に指定されたけど、周りの励ましもあって震災から3年後に同じ町で再開した。

 関西弁の落語は響きが楽しくて、常連さんも気に入ったみたい。満席で座れない人も出るくらい毎年好評で、お客さんの喜ぶ顔を見られるのが私もうれしいです。

   ◇   ◇

 11日で東日本大震災から丸9年となる。阪神間では今もなお、被災地を支援し続けている人がいる。3人の想いを紹介する。

阪神の最新
もっと見る

天気(5月27日)

  • 26℃
  • ---℃
  • 20%

  • 26℃
  • ---℃
  • 10%

  • 26℃
  • ---℃
  • 20%

  • 27℃
  • ---℃
  • 20%

お知らせ