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戸倉保育所に寄贈するグランドピアノと谷口博章さん(49)=神戸市内
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戸倉保育所に寄贈するグランドピアノと谷口博章さん(49)=神戸市内
被災者を前にホテルで演奏する谷口博章さん=2011年6月、宮城県南三陸町志津川、南三陸ホテル観洋(谷口さん提供)
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被災者を前にホテルで演奏する谷口博章さん=2011年6月、宮城県南三陸町志津川、南三陸ホテル観洋(谷口さん提供)
宮城県南三陸町への派遣業務を終え、中学生ら被災者を前にピアノを演奏する谷口博章さん=2011年4月、同町(谷口さん提供)
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宮城県南三陸町への派遣業務を終え、中学生ら被災者を前にピアノを演奏する谷口博章さん=2011年4月、同町(谷口さん提供)
宮城県南三陸町立戸倉保育所の高橋公一所長(提供)
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宮城県南三陸町立戸倉保育所の高橋公一所長(提供)
神戸新聞NEXT
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■音楽でも支援、ピアノ寄贈

 20年近く愛用したグランドピアノを10日、訪問演奏を続けてきた宮城県南三陸町に贈る。海外のコンクールに挑み始めた頃、手にした1台。人生を支え、病に立ち向かう原動力にもなった。「命はいつまでも続かない。自分がいなくても南三陸の復興を見届けてほしい」。苦楽を共にしてきた存在の寄贈を決めた。

 本業は兵庫県西宮市職員。休日に趣味のピアノに打ち込み、「より高みを目指そう」と国内外のアマチュア大会に参加した。グランドピアノを購入したのは30歳の時だった。

 東日本大震災後は南三陸町役場に派遣され、広報や町長秘書を担当。2週間の派遣期間を終えた翌日、避難所で演奏した。涙ながらに聞く被災者の姿に心を打たれ、以降も現地を訪ねたり、関西ではチャリティーコンサートに出演したりして支援を続けた。

 2018年、脳梗塞を発症した。前年に初めて海外のコンクールで頂点に立ったばかりだった。被災地支援も道半ば。「また弾きたい」と、地道なリハビリに耐え、医師も驚く早さで回復した。愛用のピアノで猛練習して感覚を取り戻し、半年後、神戸でのコンサートで本格的に復帰した。

 19年7月、南三陸町への派遣で仕えた佐藤仁町長にメッセージを送った。「夢をかなえ、奇跡を起こしてくれたピアノを贈りたい」。神戸に住む自分が頻繁に足を運ぶことは難しいが、ピアノがあれば誰かが音を鳴らし、癒やしの機会が増える。「音楽は大きな力を発揮する」と熱く訴え、町立戸倉保育所に寄贈されることになった。

 病気後初めて同町を訪ね、同保育所でピアノを奏でるつもりだ。指はまだ100パーセントではないが、「希望を忘れなければ、思いはかなう」と伝えようと思っている。(初鹿野俊)

     ◆

【被災地からメッセージ】ピアノが寄贈される南三陸町立戸倉保育所の高橋公一所長(51)

 海に近かった保育所は、津波で基礎を残して流されてしまった。園児と職員はみな無事だったが、近くの神社で一晩を明かした。

 保育所は2017年に高台に再建されて4年目。大事なピアノをもらっていいのかという気持ちはあるが、子どもたちの元気な歌声を聞いたらピアノも喜びそう。3月24日の卒園式で演奏するため、職員も張り切って練習している。「グランドピアノが弾ける」と届くのを待ち焦がれていますよ。

   ◇   ◇

 11日で東日本大震災から丸9年となる。阪神間では今もなお、被災地を支援し続けている人がいる。3人の想いを紹介する。

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