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熊本県益城町の住民とまちづくりの議論を交わした様子の写真を手にする野崎隆一さん=神戸市中央区中山手通2
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熊本県益城町の住民とまちづくりの議論を交わした様子の写真を手にする野崎隆一さん=神戸市中央区中山手通2

 災害関連死を含む275人が犠牲になった熊本地震は、2回目の震度7「本震」から、16日で4年を迎えた。被災地では、復興土地区画整理事業やまちづくりの取り組みに、NPO法人「神戸まちづくり研究所」理事長の野崎隆一さん(76)が助言を続ける。伝えるのは、住民自身がまちの将来像を描くこと。阪神・淡路大震災の支援活動で身にしみた教訓だ。「住民がつくりたいまちを実現する手助けをしたい」と力を込める。

 住宅約6千棟が全半壊し、一部損壊を含めると全住宅の98%に被害が出た熊本県益城町(ましきまち)。中心部の木山地区では区画整理事業(28・3ヘクタール)が始まり、新たに整備する道路や公園の大枠が決まった。土地利用が可能になる仮換地指定は5割に達し、県は2027年度の事業完了を見据える。

 「これから考えるべきなのは市民広場や公園などの在り方。どう使いたいか、どういう設備が必要かを話し合わないと、使い勝手の悪いまちになる」

 昨年12月、野崎さんは同地区であった住民集会に招かれ、訴えた。事業計画では市民広場の隣に商店街が設けられる。野崎さんは、住民に二つの空間をいかに有機的につなぐか議論を促し、参加した住民らが真剣に聞き入った。

 1級建築士の野崎さんは25年前の大震災後、神戸市東灘区などで住宅再建を支援した。無秩序な復興を避けるため住民と一緒に知恵を絞り、被災マンションの再建や住宅の共同化に取り組んだ経験から「復興の主体は住民」を信条とする。

 東日本大震災では宮城県気仙沼市の集落を支援。熊本地震の被災地でも、区画整理に当初反対した住民に「良いまちをつくる覚悟で取り組もう」と背中を押した。まちづくり協議会と熊本県の意見交換会を提言するなど、行政との橋渡し役を担ってきた。

 野崎さんは「住民に『自分たちが頑張らなければ』という雰囲気が生まれている」と手応えを感じている。住民同士が話し合える場づくりも意識し、南阿蘇村では、住民がまちの魅力を見詰め直す意見交換会やワークショップを開催。まち歩きイベントなどの取り組みが始まり、住民の一体感が醸成されつつある。

 「まちの将来像を住民が導き出すにはまだまだ時間がかかるだろう」と野崎さん。「まちの形は、住民が決めてこそ魅力的で価値がある。よそ者だからこそできる支援を続けたい」と話した。(金 旻革)

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