淡路

  • 印刷
国が解体撤去の方針を示した世界平和大観音像=淡路市釜口
拡大
国が解体撤去の方針を示した世界平和大観音像=淡路市釜口

 国が解体撤去する方針を示した兵庫県淡路市釜口の世界平和大観音像。所有者不在となり荒廃が始まってから14年、地元住民を悩ませた“迷惑遺産”問題が急展開を見せ、これまで対応に苦慮してきた市や、不安を抱えた住民から一斉に歓迎の声が上がった。

 観音像は、大阪で成功し富を築いた淡路市出身の男性が建設した。1983年にオープンし、85年の大鳴門橋開通後は1日に最大4千人が訪れる観光名所となった。だが、88年に男性が死亡。相続した家族が2006年に亡くなると遺族は皆、高額な債務を理由に相続を放棄したという。

 相続人不在となったため施設は閉鎖され、敷地内の「十重の塔」の屋根がはがれ落ちるなど徐々に荒廃。不安を感じた住民は06、08年に市へ改善策を求める要望書を提出した。市は09年に敷地外から、11年には内部に立ち入り調査を実施。入り口を封鎖し、塔には防護ネットを施した。

 だが根本的な解決策はなく、門康彦市長は「民間施設には手を出せない」との立場を貫いた。老朽化はさらに進み、14、18年に台風で像の外壁が落下。今年2月には男性が展望台から飛び降り自殺を図った。

 現場には再発防止のため、相続財産管理人がフェンスを設置したばかり。そんな中、解体撤去の朗報は届いた。「感無量。状況が変わらず、住民は半ばあきらめていた」と話すのは、要望書を提出した当時の釜口地区連合町内会長、古林節男さん(67)。「安全になれば皆喜ぶ。跡地利用は地域に活気を呼ぶような方法を考えてもらいたい」と表情を緩ませた。門市長は「国や県にお願いしてきたことが現実となりほっとしている。長い時間がかかってしまったが、今後は住民の皆さんに納得していただけるような再利用を検討し、提案したい」とコメントした。(内田世紀)

淡路の最新
もっと見る

天気(6月5日)

  • 28℃
  • ---℃
  • 30%

  • 32℃
  • ---℃
  • 30%

  • 31℃
  • ---℃
  • 20%

  • 33℃
  • ---℃
  • 30%

お知らせ