淡路

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タマネギ小屋の魅力を伝えるパンフレットを手にする高橋里佳さん=淡路景観園芸学校
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タマネギ小屋の魅力を伝えるパンフレットを手にする高橋里佳さん=淡路景観園芸学校
淡路島の風物詩「つり玉」が並ぶタマネギ小屋=南あわじ市内
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淡路島の風物詩「つり玉」が並ぶタマネギ小屋=南あわじ市内

 兵庫県淡路島のタマネギ小屋を知っていますか-。高齢化などで減少する「つり玉」の風景を残そうと、兵庫県立大学大学院・緑環境景観マネジメント研究科(淡路景観園芸学校)2年の高橋里佳さん(25)=淡路市=が、小屋をテーマにした研究に取り組んだ。2月の修士論文発表会で最高評価を受けた高橋さんは「島の文化を島外の若者に知ってもらうことが大切」と周知活動に力を入れる。(内田世紀)

 高橋さんは東京都出身。建築を専攻した日本女子大学を卒業後、「庭の設計も身に付けたい」と同大学院に進学した。島の田園風景で目を奪われたのがタマネギ小屋。「骨組みと屋根だけの建造物に大量のタマネギがつられている。衝撃だった」。調べると、つり玉は糖度が増すことや、近年は担い手不足でタマネギをつる農家が2割程に落ち込んでいることを知った。「この景観を継承する力になりたい」と研究のテーマに決めた。

 南あわじ市の阿万、北阿万2地区をフィールドに選び、構造や分布、農閑期の利用法などを繰り返し通って調査した。「木材に瓦屋根の建材が最も古く、ほ場整備が進まない地区に残る」「牛舎が近い小屋では、米の収穫後に稲わらを干す」などのデータを収集。タマネギを入れた通気性のあるコンテナを積む鉄骨の小屋が増えていることや、大型の冷蔵室を使う機械化モデルが普及していることも分かった。

 さらに、タマネギ小屋に対する人々の意識を探ろうとアンケートを実施。生産者103人と島外の若者ら88人を対象に、「小屋のある風景の印象」「つる作業をどう思うか」などと尋ねた。

 結果から見えたのは、「島外の人の方が小屋の景色に地域の魅力を感じ、若者は作業に関わってもよいと思っている」一方、「生産者はつり玉の重労働を課題とするが、島外住民の力を借りることは考えていない」という両者のギャップ。高橋さんは「溝を埋められれば、継承につながるかもしれない」と研究結果をまとめたパンフレットを作製し、配布を始めた。

 修了を控えた論文発表では「地域の独自性や特徴をあぶり出している」と高評価を受けた。春には大阪で就職し、団地の設計に携わるという。「壁のないタマネギ小屋は暮らしのありようが透けて見える」と高橋さん。「淡路での経験を生かし、安心感やぬくもりを感じられる建物作りができたら」と笑う。

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