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宮城県東松島市のあおい地区で交流会への参加を呼び掛ける(右から)田村晄士朗君、北岡愛●さん、天野かづなさん、尾上知優君※●は「莱」の「来」が「來」
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宮城県東松島市のあおい地区で交流会への参加を呼び掛ける(右から)田村晄士朗君、北岡愛●さん、天野かづなさん、尾上知優君※●は「莱」の「来」が「來」
先生からの“宿題”=バスの車内
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先生からの“宿題”=バスの車内

 〈これからも福良を背負う男として、自分に何が必要かを、しっかり学んできてください〉

 8月1日午前5時半、兵庫県南あわじ市立福良小6年の田村晄士朗君(11)は東日本大震災の被災地に向かうバスに乗り込む直前、担任の山崎温加先生(36)から「宿題」として紙袋を受け取った。中身は「秘密」というが、表にはこうメッセージが記されていた。

 田村君は福良の町が好きだ。「魚がいっぱい取れるから」。父親が仕事にしている釣り船に乗り、驚くほど大きなタイを釣ったこともある。祖父は漁師。自身も将来は福良で漁師になって「旬の魚をたくさん取りたい」と思っている。

 海の恩恵を受ける福良の町に「津波が来るかもしれない」と聞いたのは小学3年生のとき。授業で南海トラフ地震について勉強した。「津波が来たら何もない町になってしまう。海に近い自分の家も流れちゃう」。そう考えると怖かった。

 福良小は、東北行きに同行した防災担当の浅井裕治先生(43)を中心に防災教育に力を入れてきた。避難訓練はもちろん、自然学校でも災害を意識した集団生活をした。防災を学んできた田村君は今年2月、児童会長の選挙に立候補。「福良小を背負っていきます」とスピーチで宣言し、児童の支持を得た。

 今回の被災地行きも「東北で起きた災害を実際に見て、福良の町にいつ来るか分からない地震や津波の対策をしたい」と手を挙げた。

     ◆

 福良小からは田村君のほか、6年生の尾上知優君(11)、天野かづなさん(11)、北岡愛●さん(12)の3人が名乗りを挙げた。

 4人の担任の山崎先生は、県内の教職員でつくる震災・学校支援チーム「EARTH(アース)」の一員。山崎先生は田村君以外にも、それぞれメッセージを託した。

 〈東日本(東北)で起きたことを自分の目で見て感じたこと、思ったことを伝えて〉〈集団行動・家族のこと、3日間で考え学んできて〉〈何が正しいのか判断し、行動できる力を、伝える力を養ってきて〉

 福良の将来を担うためには、災害と向き合うことは避けられない。4人はそれぞれの“宿題”を手にバスに乗り込み、片道12時間の旅が始まった。

     ■

 南あわじ市が2年前から取り組んできた東日本大震災被災地へのボランティア派遣事業に、今夏初めて小学生4人が参加した。福良小のある同市福良地区は、南海トラフ地震で県内一高い津波が予想されている。福良の町を守ろうと、東北に向かった児童らに同行した。(高田康夫)

【福良地区の津波被害】昭和南海地震(1946年)では福良で2・5メートルとされ、浸水被害も出たが、死者はなかった。規模が大きかったとみられる宝永地震(1707年)では、淡路島南部に3~5メートルの津波が来たと推定される。昔の津波では「煙島にあった寺が流された」などの伝承が残る。東日本大震災後の県によるシミュレーションでは、福良地区では最大8・1メートルの津波が想定された。50センチの津波が到達するまで58分。南あわじ市内の被害は、津波による死者約1200人などと想定されている。

※●は「莱」の「来」が「來」

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