明石

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入荷したイカナゴを買い求める客の列=魚の棚商店街
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入荷したイカナゴを買い求める客の列=魚の棚商店街
入荷したイカナゴ。体長6、7センチと大きい=魚の棚商店街
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入荷したイカナゴ。体長6、7センチと大きい=魚の棚商店街
初日の2月29日、水揚げがなかった林崎漁港=明石市林3(撮影・秋山亮太)
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初日の2月29日、水揚げがなかった林崎漁港=明石市林3(撮影・秋山亮太)

 播磨灘でのイカナゴのシンコ(稚魚)漁が6日、終了した。解禁日の2月29日から始まった、イカナゴ購入をめぐる買い物客の戦いも終結を迎えた。多くの人が長い列をつくった、シンコ漁最終日の魚の棚商店街(兵庫県明石市本町1)に密着した。(長沢伸一)

■午前7時すぎ

 開店準備が進む魚の棚商店街では、既に鮮魚店の前に5、6人が集まり列をつくっていた。最前列で待っていたのは同県西宮市の会社員男性(59)。午前3時半に西宮の自宅を出発し、午前4時半から開店を待っているという。「今日が最後と聞いたので、魚の棚やったら入荷するかなと思って。春はイカナゴを食べないと」と話す。

 1人、また1人と集まってくる。列がだんだん長くなってきた。寒い中、列から「砂糖どれぐらい入れるの」「イカナゴ貯金始めてん」などの声が聞こえてくる。声のする方向では3人の女性が仲良くおしゃべりしている。友人同士の集まりかなと思い声をかけると、「初めて会いました」と並んでいた女性(69)=明石市=が答えた。「並んだらみんな友人だからね」と笑った。

 一方、値段を心配する声も。店頭に並んだ立派なタイを指さしながら、「今、イカナゴはあのタイより高い。幻の魚や」。

 列はどんどん延びる。8時半すぎには40人近くに。入荷を心待ちにし、時間や金額などをお店に尋ねる人も目立った。どの鮮魚店も似たような状況だ。

■行列に明暗

 9時50分ごろ。お店の一つにイカナゴが入荷した。「かなり大きいな」。待っていた男性がつぶやく。体長6、7センチほどあり、いつもより大きいように見える。ただ、イワシシラスなどの混入は見られない。「大きさで食感が違う。大きいと硬い。小さい方がいいけど、しょうがない」と女性が漏らした。神戸市兵庫区の主婦(83)は「大きいと味がしみにくいので、お酒を入れてじっくり煮込みます」。

 同時刻。「今日はイカナゴありません。すみません」。別のお店では行列に衝撃が広がった。すぐに人が散っていく。5時間並んでいた男性も肩を落としながら去って行った。

 午前中の取材で見た金額は1キロ5500~6千円。鮮魚店「松庄」の店主松谷佳邦さん(57)は「昔みたいにキロ千円を切ると庶民の食べ物という感じがするが」と苦い表情。「このままだとイカナゴ文化が消えかねない。くぎ煮を作って親類に送るのを楽しみにしている人もいる。かつての活気を取り戻したい」と、来年以降の復活に期待を込めた。

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