明石

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手のひらに乗る小説と小前大さん=神戸新聞明石総局
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手のひらに乗る小説と小前大さん=神戸新聞明石総局
伝統的な建築様式でつくったドルフィンセンター(小前さん提供)
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伝統的な建築様式でつくったドルフィンセンター(小前さん提供)

 兵庫県明石市の小前大さん(49)がライトノベルを書き下ろし、若者に人気の「インスタ映え」を狙った手のひらサイズの小さな本を作った。かつて南太平洋のソロモン諸島にイルカの楽園を作ろうとした小前さん。小説を通して夢を追う大切さを伝え、いずれ自分も、イルカの楽園を再建するつもりだ。

 小前さんは1970年、米ロサンゼルスで生まれた。10歳で帰国し、神戸市の滝川高校を経て神戸大に進学。在学中、テレビで見た人とイルカが一緒に泳ぐ映像に衝撃を受けた。

 「将来を考えている時にイルカと出会ったんです」

 向かったソロモン諸島で元州議員のビリー・ファラボーさん(故人)と出会った。イルカの楽園を作りたいと相談すると、「わしのところに来い」と協力を申し出てくれた。

 アメリカ生まれで英語には苦労しなかったが、イルカの施設は環境や文化の破壊につながると、現地では反対された。地域の代表者が集まる会議に出て、思いを訴えた。

 「イルカと触れ合える場を作りたい。ソロモンの文化を知ってもらう機会にもなる」。熱意は伝わった。

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 アルバイトなどで資金を集め、98年にはソロモン政府から「ソロモン・ドルフィン・センター」の事業認可が下りた。

 日本とソロモンを往復しながら、現地の伝統的住居でもある高床式のバンガローを岸辺に建設。口コミで利用者が増えた。

 だが2000年、首都のあるガダルカナル島民と、諸島北東部のマライタ島民の争いからクーデターが発生。日本に帰国しなければならなくなった。

 約2年後に再開。だが、竜巻でバンガローの一つが壊れ、以前の客足は戻らなかった。子どもの就学時期と重なり、事業を中断。帰国した。

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 ドルフィンセンターの運営がうまくいかなくなった時期から小説を書き始めた小前さん。「苦難を乗り越えて夢を追いかけてほしい。僕の魂を込めた」と力を込める。

 明石で出版社を設立し、最初に手がけたのは連続小説「ファイト!かりんの青春日記」の1巻。夢も希望もなく毎日を過ごす16歳の女子高生が、神戸を舞台に夢を実現する物語だ。

 本は縦10・5センチ、横7・5センチ。通常の文庫本の半分という超ミニサイズ。今後、シリーズ化し、いずれソロモンでの体験も小説にするという。

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 小説と送料はいずれも無料。希望者は大黒出版のホームページから申し込む。

 小前さんは「続編を読みたいと思ってくれた人に寄付を呼び掛け、いずれはドルフィンセンターを再建したい」と話す。(長沢伸一)

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