正平調

時計2020/04/07

  • 印刷

〈紀元前二世紀ごろの咳(せき)もする〉。大正・昭和期の川柳家木村半文銭の句だ。今どきは咳一つするにもエチケットが肝要だが、太古の咳はどんな風だったろうか◆姫路の樋口由紀子さんが編んだ川柳集「金曜日の川柳」を読んでいて、この句にふと立ち止まった。戦前の名句から現代作家の近詠までが収められており、折節の関心に応じて心に刺さる◆野村圭佑〈生きられて百になったら何しよう〉。人生百年時代、しっかり考えておきたい。宮内可静〈老人は死んでください国のため〉。言葉は過激だが、社会に一石を投じるのも川柳の役割だろう◆さらにページを繰る。渡辺隆夫〈今宵あたり13ベクレルの月夜かな〉。十三夜ならぬ13ベクレルの月夜に、福島の厳しい現実が迫る。北田惟圭〈四基みな明日を忘れたふりをする〉。4基の原子炉は忘れたふりをしているというが、忘れられはしないし、忘れてはいけない◆新型コロナも少子高齢化も福島の廃炉も、先行きは見えない。けれど深刻な問題とがっぷり四つに組むのでなく、からめ手からえぐり込む川柳の視点を持てば、出口が見つかるかもしれない◆不安は抱えつつも、門出の春。こんな一句を口ずさんで前に進みませんか。高瀬霜石〈楽しいに決まっているさ曲がり角〉2020・4・7

正平調の最新
もっと見る

天気(5月27日)

  • 26℃
  • ---℃
  • 20%

  • 26℃
  • ---℃
  • 10%

  • 26℃
  • ---℃
  • 20%

  • 27℃
  • ---℃
  • 20%

お知らせ