正平調

時計2020/03/20

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哲学者の梅原猛さんは述べている。「どうでもよいことはきわめて正しい真実を語り、自己の政治支配を合理化する点においては、きわめてたくみにうそをつく意思がはたらいている…」(「隠された十字架 法隆寺論」より)◆日本書紀などを例にあげて、歴史とはそのときの権力者に都合よく書かれるものだ、と。昔の歴史書ならまだいい。うその上書きを、現代の官吏が行っていたのが森友問題をめぐる財務省の公文書改ざんである◆自殺した近畿財務局職員の手記や遺書が公表された。「うそにうそを塗り重ねるという…あり得ない対応」「最後は下部がしっぽを切られる」。改ざんを強制されたとして、幹部官僚の名をあげて告発している◆「謝っても気が狂うほどの怖さとつらさ」「手がふるえる 恐い 命 大切な命 終止符」とある。良心を削られる激痛とはこういうものだろうか。ひとり絶望の淵に立ちすくむ恐怖とはこういうものだろうか◆「あらゆる動物のなかで赤面するのは人間だけだ」。米作家マーク・トウェインの言葉という。真実を知りたいと遺族は訴えている。自らを恥じる人間の心がまだあるのなら、当事者はすべてを語るべきだろう◆むしろ語ることでしか、亡き人の無念にこたえる道はあるまい。2020・3・20

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