正平調

時計2020/03/12

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25年前の3月だった。「高校野球と震災」というテーマで取材をしていると、仕事で知り合ったある作家から連絡があり、神戸で会うことになった◆阪神・淡路大震災の起きた年である。春の選抜高校野球について賛否両論があった。判断を迫られた臨時運営委員会が実施を決めたことを、みなさんはどう受け止めるかと、彼は身を乗り出して尋ねた◆野球どころではない。家族や住まいを失った人はそう思うだろう。でも明るい話題があればホッとする。一方でそう考える被災者もいる。街で耳にした声を伝えながら、しばし「うーん」と腕を組んだ覚えがある◆進むべきか、退くべきか。新型コロナウイルスの感染拡大で難しい判断を求められたセンバツの臨時運営委員会が、大会中止を決めた。可否の谷間で苦慮した25年前と同じように、悩み抜いた末の結論だろう◆会議でどんな意見が交わされ、どの点でもっとも悩んだか、結論に異論は出なかったか。会見でのやりとりではうかがえない点も含め、できるだけ明らかにしてもらいたい。春夏の甲子園は国民的行事なのだから◆大相撲の「春場所」、そして野球の「球春」。いずれも俳句の季語である。鬢(びん)付け油の香りは淡く、春を告げる打球音もかなた。ああ、春が弾まない。2020・3・12

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