正平調

時計2020/03/10

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もう受験できないかもしれないと、神戸の避難所で中学3年の女子生徒は考えた。地震で壊れた自宅から筆箱と願書を取り出してもらい、母に言われる。「これだけあれば何とか受験できるよ」。少女はうれしくて泣いたという◆25年前につづられた中学生の震災作文集にある。入試の前は、避難所で一緒の大学生にも励まされた。「まわりの人たちの言葉で心があたたまり気持ちを落ちつかせること」ができたと、女子生徒は書いている◆町が壊滅的な被害を受けたあのときとは状況も時代も異なるとはいえ、いまの受験生もまた心細いことだろう。新型コロナウイルス禍のさなか、公立高校の入試が迫る◆いきなりの休校で、身も心も慌ただしいまま迎える本番となる。大丈夫。きっと、うまくいく。たとえ月並みであってもまわりの大人のひと言が若い彼らを落ちつかせ、力となるのはいつの世だって変わるまい◆早いもので、がれきの町で“十五の春”に挑んだあの日の中学3年生がいまはもう不惑の40代であるという。受験のお子さんを持つお母さんやお父さんもいるのだろう◆「ファイト!!」。25年前の入試当日、本紙が大きな見出しをつけていた。負けないで-と。ささやかながら同じエールを、きょうも頑張る受験生へ。2020・3・10

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