正平調

時計2020/03/07

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抗生物質ペニシリンを発見したノーベル賞学者アレクサンダー・フレミングに、くしゃみにまつわる成功談がある。あるとき、くしゃみをして実験用の容器に鼻水を垂らしてしまった◆しばらくすると、容器で培養していた細菌が溶けている。殺菌効果のある物質リゾチームが、鼻水や涙に含まれることがこうして分かったという。のちのペニシリン発見にもつながる、くしゃみのお告げだろう◆いま、くしゃみが告げるのは花粉の到来である。ただでさえつらいのに、新型コロナウイルスにおびえる今年は周囲の目も気になろう。とはいえ鼻のムズムズは止まらないし、マスクやティッシュも足りないし◆くしゃみをしたとき、「くさめ、くさめ」とまじないを唱えないと死んでしまう。そんな話が「徒然草」にあった。自分の意思とは関係なく起こる生理現象に、昔の人は不吉なものを感じ取ったのかもしれない◆そういえば、派手なくしゃみに続けて「チクショー」とか「アホンダラ、ボケカス」とか、勢い余って唱えるおじさんがいたような。あれもまじないの名残であろうか◆コロナ、コロナで、くしゃみ一つにも気を使う窮屈な暮らしが続く。エチケットを守り、過度におびえず、鎮まるのを待つしかない。花粉もコロナも。2020・3・7

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