正平調

時計2019/07/14

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当時西ドイツのフォルクスワーゲンが1959年、米国向け広告を打った。「Think small(シンク スモール)」。小さいのがいい、と。小型車の「ビートル」が豆粒のように小さく描かれている◆車はもちろん何でも大きいことはいいことだ。それこそが豊かさだ。そう信じられてきた米国社会に「真っ向から殴りこみをかけた、いわば反米広告」だったと「広告20世紀」(天野祐吉ほか編著)の評にある◆小さくとも確かな走り。ビートルの生産台数はのち、米国のT型フォードを抜いて世界一となった。ナチス政権下で開発され、戦後はドイツ復興の象徴に。数奇な運命をたどった名車が80年の歴史に幕を下ろす◆生産終了が発表された。日本での販売も終えるらしいと聞いて、何十年も昔、カエルみたいな形の外車を子どもらが指さし、「ワーゲンや」と叫んでいたのを思い出す◆カエルではなく、本当はカブトムシである。誰もがそれと分かる丸みを帯びた独特のデザインで親しまれ、秋篠宮さまの青年時代は愛車として話題になったこともあった。紀子さまとのデートにも使われたとか◆ハンドルを握ったことも、助手席に座ったこともないけれど、エンジン音を響かせて一つの時代が走り去っていったような、そんな感慨にふける。2019・7・14

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