正平調

時計2019/07/11

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週末、ふらりと立ち寄ってみると、館内はまずまずの入りである。ざっと6割が女性客だ。和服姿の方もいる◆こぢんまりとしているので、高座と客席が近い。子どもを見かけ、落語家が話しかける。「何年生? おっ、6年生か」。軽いやりとりで場を和ませ、客席をもみほぐす。これもプロらしい芸である◆上方落語の定席(じょうせき)「喜楽館(きらくかん)」だ。神戸・新開地にできて、きょうで1年になる。大衆娯楽の街をもう一度という願いが、やっと軌道に乗ってきた。地元のみなさんはきっと、節目の日を笑顔で迎えたことだろう◆客席はどう思ったか。この1年間の紙面から気分をくみ取ると「臨場感にあふれてテレビとはまったく違う」「汗をかきながら熱演する落語家にみとれた」「ライブの醍醐味(だいごみ)」など。高座をたっぷり楽しんでいる◆寄席で生活にメリハリをつける人がいると、何かで読んだ。仕事を忘れた大笑いで、気持ちを切り替えるという。分かる分かるという人も客席のどこかにいるだろう◆高倉健さんの映画を見終えると、健さんになったような歩き方で映画館を出ていく人がいる。それを思い出し、喜楽館の公演が終わって外へ出たところで振り返る。とことん笑って家路につく人は、まるで噺家(はなしか)のような柔らかい面立ちで。2019・7・11

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