正平調

時計2019/07/06

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オランダで「あの災害」を意味する言葉を使うとき、1953年に起きた大洪水のことも指すらしい。1800人以上が亡くなった悲劇を「あの災害」と呼び続けることで、オランダの人たちは記憶を継いでいるのに違いない◆毎年のように自然の猛威にさらされる日本では、と考える。「あの震災」「あの水害」と聞いて心によみがえってくるつらい記憶は土地それぞれ、世代それぞれだろう◆平成最悪の被害をもたらした西日本豪雨は発生からきょうで1年。きのうは九州北部豪雨から2年の節目だった。どちらも「あの」と呼ぶにはまだ傷痕が生々しすぎる◆愛媛県に怒和(ぬわ)島という離島がある。“島の宝”を失った…1年前に報じられたニュースをご記憶の方もあろう。島の小学校に通っていたわずか6人の児童のうち、3年と1年の姉妹、その母も豪雨で亡くなった◆小学校はこの春から休校という。2人が卒業し、残る2人も別の学校に移ることになったからだそうだ。思い出づくりの一つだろう。体育倉庫の壁に子どもたちが残した共同制作の写真を、ホームページで見た◆花のように笑う、6人の似顔絵である。「ひなた」と「ゆい」、亡き姉妹の名も刻まれた絵からはみんなの声が聞こえてくるようだ。忘れるもんかと。2019・7・6

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