正平調

時計2019/06/30

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取材はテレビの収録を終えた後で、という約束だった。その仕事を済ませ、待っている記者のところへ駆け付けると、いきなり話し始めたそうだ◆「いやあ、私は神戸の御影の出身なんですよ。人はミカゲによらない、なんて言いまして」。ひとしきり笑わせてインタビューは始まったと、記事にある。このサービス精神あっての長い芸能生活だろうと◆亡くなった高島忠夫さんである。享年88。今の兵庫県立神戸高校から関西学院大へ。ジャズに夢中になり、芸能界へ入ると、俳優、歌手、ミュージカル、司会、ラジオのDJ、映画解説…。なんと幅広いこと◆「私はこれでやってきたという一筋の足跡が残せてない」。そんな話もしていたが、いや、振り返れば一筋の跡がある。それは周囲を明るくさせる雰囲気。うつ病と向き合ったときも、開けっぴろげに語っていた◆作家中原弓彦さんは、森繁久弥さんの「武器」を三つ挙げる。(1)口跡(こうせき)の良さ。つまり話しぶりがいい(2)関西弁と東京弁を使い分けられる(3)アドリブを芸に高められる◆高島さんの魅力とも重なる。長くかかわった料理番組「ごちそうさま」で、こんな褒め方をしていたのが耳に残る。「いけまっしゃろ」。味のある関西弁、その口跡の良さ。もっと聞きたかった。2019・6・30

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