日々小論

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 昔、「フィーバーする」という言葉があった。熱狂する、の意味で、1978(昭和53)年の流行語という。米映画「サタデー・ナイト・フィーバー」に由来する。

 若者たちが土曜の夜、ディスコでフィーバーする。思えば、学校も仕事も休みが日曜だけだったあのころのサタデーナイトは、いまとは比べものにならぬ輝きを放っていたのだろう。

 当時、私は小学生になったばかり。土曜の夜のきらめきと寂しさを、子どもたちに教えてくれたのはドリフだった。最高視聴率50%超えはまさにフィーバー。ザ・ドリフターズの「8時だョ!全員集合」である。

 はぁ~ドリフ見たさに チャンネル コリャ回したら~。民謡をアレンジしたオープニング曲に胸踊らせ、ババンババンバンバン…宿題やったか? のエンディングに至福の時間の終わりを悟ったものだった。

 40年前、1980年の土曜のテレビ欄を見る。あばれはっちゃく、オタスケマン、まんが日本昔ばなし、クイズダービー、8時だョ…子どもはここまで。Gメン75、土曜ワイド劇場は大人たちの時間だった。

 「8時だョ」は、85年に終了する。「土曜日の恋人」(山下達郎)。「土曜日は大キライ」(松任谷由実)。同時刻の別のお笑い番組で流れる、そんなしゃれた曲が週末の夜を彩るようになった。茶の間の存在感が次第に薄れ、日本経済が浮かれたバブルの急坂を踊りながら駆け上がっていったころである。

 ヒゲダンスをまね、「カラスの勝手でしょ」を歌った昔が猛烈に懐かしい。大人になって多くの著名人の訃報に接したが、土曜の夜、子どもらを等しく幸せにしてくれた志村けんさんの死には格別の悲しさがある。

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