日々小論

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 新型コロナウイルスが世界で猛威を振るう中、国連関連の多くの重要会議も中止や延期を余儀なくされている。一刻も早く終息し正常化することを願う。

 世界の核軍縮の方向性を定めるため、4月下旬にニューヨークの国連本部で開幕予定だった核拡散防止条約(NPT)再検討会議も延期が決まった。約190カ国が参加するNPTは先月、発効50年を迎えた。夏には広島と長崎の惨禍から75年が巡ってくる。節目の年に開かれる、5年に1度の会議で、核廃絶に一歩でも近づくことを期待していただけに悔しさも募る。

 米科学誌は1月、地球最後の日までの残り時間を概念的に示す「終末時計」を公表し、過去最短の残り「100秒」とした。地球温暖化のほか、核の脅威の深刻化を主な原因に挙げ、昨年から20秒針を進めた。

 確かに、イラン核合意は崩壊の危機にあり、核軍縮の主役になるべき米中ロはむしろ核戦力を増強している。加えて北朝鮮は3月以降、弾道ミサイルとみられる飛翔(ひしょう)体の発射を繰り返し、核・ミサイル開発を続ける姿勢を崩さない。米誌の指摘する通りだろう。

 「一番怖いのは原爆の事実が忘れ去られること」。いま頭に浮かぶのは、ある被爆者から聞いたこの言葉だ。国民の命を守るため、各国が感染拡大阻止に躍起になるのは当然である。だがこのことで、核問題に対する関心が薄れるのが気掛かりだ。

 わずかでも構わない。日本政府は、世界の人々に向けて発信し続けなくてはならない。さらに終息したときには、真っ先に提案するべきだ。「今回の教訓を基に、全ての国が手を取り合い、核の根絶に大きく踏みだそう。でないと、今度こそ人類が滅ぶ恐れがある」と。

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