日々小論

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 「私たちは自分を改革する努力をし、新しい人生を創(つく)ります」「私たちは家族はもとより、迷惑をかけた人たちに償いをします」…。

 最近、断酒に取り組む人たちを取材する機会があった。姫路市内のある断酒会。家族も含めた30人ほどが、冒頭に引いた「断酒の誓い」を全員で唱和した後、順番に体験を語っていく。

 壮絶だった。例会で聞いた話は外部に漏らさない決まりなので具体的には書けないが、仕事や家庭、自らの命すらも顧みず、連日連夜飲み続ける。なぜそこまで…と思うが、依存症とはそういう「病気」なのだろう。

 体験を話し合うだけで飲酒がやめられるのか。正直、最初は半信半疑だった。もちろん抗酒薬などを服用している参加者も多いが、一番の薬は同じ地獄を見てきた仲間の言葉だという。家族の苦悩も、深く重い。取材で聞いていた私ですら、以後はかなり飲む量が減った。

 ふと、学生時代にはやった歌を思い出す。「どんなときも迷い探し続ける日々が答えになる」…。そう歌っていた槙原敬之被告も、覚せい剤取締法違反の疑いなどで再び逮捕、起訴された。アルコールも薬物も、決別するのは容易ではない。

 1年余り前、槙原被告にインタビューした。音楽の話はもちろん、雑談にも気さくに応じてくれる彼に、薬物の影など全く感じられなかった。特に神戸や東北、熊本の連帯に触れ、「同じ経験を持つ人の記憶はつながり、力になる」と語った言葉は忘れ難い。

 彼の今後について口を挟む立場にはないが、いつか再び社会復帰する日が来たら、その強い言葉の力を役立ててほしい。小さな自助グループでいい。同じ痛みを持つ人々のために。

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