日々小論

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 世に料理のレシピ本は数あれど、先月発行された「海を渡った故郷の味 新装版」(トゥーヴァージンズ社刊)はひと味違っている。認定NPO法人「難民支援協会」(東京)が日本に逃れてきた難民の人たちから郷里の味を教えてもらい、紹介している本である。

 ひとつ、こしらえてみよう。どうせなら難易度の高そうなものを-と背伸びして、クルド料理を選ぶ。「ひき肉たっぷりクスクスの包み揚げ」。中東の複数の国々に暮らすクルド人の、人気の逸品という。

 なんか聞いたことあるけど、クスクスって実際のところ何なんだ? という方も多かろう。筆者もそうである。調べてみると、小麦粉でできた小さな粒状の食品で、世界最小のパスタとも呼ばれているそう。近くの食材店で見つけた。

 牛ミンチやタマネギなどを炒めて味付けし、クスクスと小麦粉をこねて作った生地に丸く包みこんで油で揚げる。粒々の食感がポイントのこの生地作りがけっこう難儀で、ほろほろと崩れやすい。揚げている最中も幾つかの包みが崩壊した。

 「クルド料理を作る時は気分が明るくなります。クルドのこと、小さかった時のことを思い出します」。出身女性がレシピ本に寄せている。

 載っているのは世界15の国や地域から45種の家庭料理。作ってつまんで、難民に心を寄せよう…などと大層なことは言わないが、それでも一度味わった食の記憶はなかなか消えぬものがある。例えば「クルド」とニュースで耳にしたとき、ふと手を止めて聞き入るくらいの関心は呼び覚ましてくれるだろう。

 スパイスを利かせたクスクスの包み揚げは見た目は不細工になったけど、うまかった。

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