日々小論

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 沖縄や北海道の離島などを除けば、羽田空港への直行便がない空港は限られる。その一つが豊岡市の山あいにある但馬空港だ。滑走路が短くてジェット機は飛べず、48人乗りの小型機が大阪(伊丹)空港と結ぶ。

 市や商工団体などは長年にわたり羽田便の設定を求めてきた。しかし羽田の発着枠は奪い合いの状態で、乗客数の少ない小型機が入り込む余地を見いだすのは難しい。

 法改正に伴い、滑走路の前後を延ばす必要が生じた。ジェット機が飛べるよう滑走路本体も広げ、羽田便実現につなげる思惑が地元にあると聞く。

 費用がかかる滑走路延伸の是非はともかく、但馬は別の目標を掲げてはどうか。羽田より発着枠に余裕がある、成田国際空港への乗り入れだ。

 城崎温泉の年間の外国人宿泊者は4万5千人にのぼる。しかし但馬空港の利用は100人に満たず、成田便の潜在需要は相当あると考えられる。

 劇作家の平田オリザさんは、ディレクターを務める「豊岡演劇祭」を世界有数の演劇祭にする構想を持つ。これも誘客の好材料として期待できる。

 ただこのところの新型肺炎を巡る混乱をみると、外国人観光客頼みの地域活性化は思わぬリスクを伴うと痛感する。やはり羽田便の方が手堅く需要を見込める、との指摘を受けそうだ。

 その点も、成田便はカバーできる。空港から東京都心まで鉄道で1時間、但馬空港からトータルで2時間強となり、出張などにも十分使える。

 羽田の発着枠の希少さは、人も情報も東京が吸い寄せる一極集中の表れでもある。その流れに、但馬から一石を投じてほしい。見据えるのは東京でなく、世界なのだと。

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