日々小論

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 ウイルスに命があるかどうかは、生物学を学ぶ人にとって興味の尽きない問いだろう。

 自力では何もできないが、人の細胞に入り込み、乗っ取って増殖する。この小さな敵に人類は今回も脅かされている。

 季節性インフルエンザが流行するこの時期に、新型コロナウイルスの感染が拡大している。国内で死者が出たと聞けば、どうしても不安は募る。

 初期症状は風邪やインフルと似ており、重症化すれば肺炎を起こす。手洗いやうがいなど個々人の感染防止はもちろん大切だが、高齢者や体の弱い人、妊婦さんなどをどう守るか。社会のありようが問われる。

 そもそも細菌を退治する抗生剤のような特効薬が、ウイルスにはあまりない。ワクチンは有効な予防策だが、私自身、接種したのにインフルエンザを発症し、妻にうつして恨まれた。

 インフルや風邪に限らずウイルスには過去、何度も痛い目に遭ってきた。いつどこでもらったか分からない例が大半だ。

 問題の新型コロナは、熱が1週間ほど続き、倦怠(けんたい)感が強いのが特徴という。多くは回復に向かうが、厄介なのは、症状がない段階でも人にうつす恐れが指摘されていることである。

 つまり、あなたや私が知らないうちに感染源になる可能性がある。誰かを遠ざければ安心というような問題ではない。

 専門家がいうように、港での水際作戦は医療態勢が整うまでの「時間稼ぎ」と考えた方がいい。隔離や排除の発想でなく、周囲にうつさないためのマスク着用など、互いを思いやる精神が今こそ必要だろう。

 医療機関は重症者をしっかり治療して救ってほしい。ウイルスはともかく、人間は生きている。一人一人に命と心がある。

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