日々小論

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 四国の最西端、愛媛の佐田岬半島にある伊方原発は瀬戸内海唯一の原発だ。その信頼性がいま大きく揺らいでいる。広島高裁が、地震や火山の被害想定や調査が不十分として、運転禁止の仮処分を決めたからだ。

 地図を見れば、この原発が抱えるリスクが理解しやすい。

 すぐ北の瀬戸内海の底には、運転禁止の理由となった中央構造線断層帯が走っている。日本最大級の活断層は東は近畿へ、西は九州に向かって延びる。2016年の熊本地震の際は、地震の発生地域が大分へと拡大し、中央構造線が連動するのではと不安が高まった。

 禁止のもう一つの理由は、伊方原発から130キロ離れた阿蘇カルデラの存在だ。熊本地震では震源地と大分との間にある阿蘇山の噴火も警戒された。

 西風が吹くことが多い西日本の気象を考えれば、関西の人々はもっとこの原発に関心を持つべきだろう。

 懸念されるのが瀬戸内海の汚染だ。内海であるため、深刻な事故が発生すれば周囲の陸地に降る放射性物質も流れ込む。全域で長期間汚染が続くと指摘される。

 原発を運転する四国電力への不信感も高まっている。1月だけで3件もトラブルを起こした。特に、電源喪失で43分間も核燃料プールが冷却できなかったのは極めて深刻な事故であり、「原発を運転する資格はない」との声が上がるのは当然だ。

 瀬戸内海が「死の海」になれば、漁業や食品産業、観光など地域はどれだけの被害を受けるのか。四国電は賠償責任を負えるのか。

 兵庫を含む沿岸の11府県で福島事故と同程度のシミュレーションを実施し、情報を共有して議論すべきだろう。

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