日々小論

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 「娘には『日本以外での進学や就職もありやで。お母さんは応援するよ』って言うてる」「その気持ち、分かるわ」

 ママ友たちとの雑談で、こんなやりとりが増えた。海外志向というわけではない。現状や将来への「失望と諦め」と表現する方が近い。

 そんな思いになる要因はさまざまだろうが、一昨年に発覚した医学部の不正入試がもたらした「ダメージ」は大きいと感じる。公正であるべき入試での露骨な性差別に、怒りを通り越して虚無感を抱いた女性は多いと思う。社会のこの変わらなさは一体何なのか、と。

 友人は言った。「『保育園落ちた、日本死ね』というブログがかつて話題になったけど、『女だから損をした、日本もうええわ』とあきれる子が出てきてもおかしくないよね」

 ところで、兵庫県をはじめ全国の自治体が若者の流出を食い止めようと躍起になっている。男性と比べ、女性は進学や就職でいったん都会へ出ると地元に戻らない傾向があるという。

 若い女性が減れば、その地域で生まれてくる子どもも減る。だから、女性に人気のありそうなサービス産業の誘致や、リゾート地にいながら仕事ができるIT環境の整備など、多くの自治体が知恵を絞っている。

 ただ、忘れないでほしい点がある。古い慣習や価値観、つまり、根強い女性差別や性別による役割分担に生きづらさを感じて地域を離れる女性は決して少なくないことを。

 その視点を伴わなければ、事態は深刻化するだろう。国を挙げた女性の引き留め策が必要では? 「日本もうええわ」と飛び立つ女の子と、後押しする母親がじわじわと増える予感がする。悲観的すぎるだろうか。

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