日々小論

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 2020年は節目の年である。戦後75年や阪神・淡路大震災から四半世紀、日米安保条約改定60年、朝鮮戦争勃発70年、東西ドイツ統一30年などが巡ってくる。未来へと続く道に明かりをともすため、多くの人が来た道を振り返る年にしたい。

 約190カ国が参加する核拡散防止条約(NPT)も3月、発効から半世紀を迎える。だが残念ながら、現在、機能不全に陥っていると言わざるを得ない。米中ロは核開発に前のめりな姿勢を示し、核弾頭を手にする国は9カ国に増えた。

 一方、核兵器を全面的に禁じ、2年半前に採択された核兵器禁止条約は昨年末までに34カ国が批准した。既得権を守ろうと反対する核保有国の妨害を乗り越え、じわりと増えている。

 核を巡る歯止めは弱体化し続けている。米ロ間では昨年、中距離核戦力(INF)廃棄条約が破綻した。来年に期限が切れる新戦略兵器削減条約(新START)の延長も不透明だ。

 「核のない世界を実現するか、数を減らしながらでも永遠に持ち続けるのか、私たちは岐路に立っている」

 長崎大学核兵器廃絶研究センター准教授中村桂子さんが昨年、神戸で講演したときの言葉が記憶に残る。まさに今年が大きな岐路になるのではないか。

 被爆者の思いも乗せた禁止条約は批准が50カ国に達した90日後に発効する。あと16カ国。一刻も早く条件を満たすことを待ち望んでいる。そこに日本が加わっていればなおすばらしい。

 禁止条約が発効し、核の根絶に大きく踏み出した節目の年だった。おかげで地球を守ることができた。将来、私たちの子孫がそう振り返ることができる年になればいい。それが20年の大きな願いである。

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