日々小論

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 注目している若きリーダーがいる。

 中米エルサルバドルの大統領ナジブ・ブケレさん(38)だ。今年9月、ニューヨークで開かれた国連総会で、演説のため登壇した際、スマートフォンで「自撮り」写真を撮影した男性と言えば思い出す人もいるだろう。ユニークな行動は当時、世界の各地で話題となった。

 気に入ったのはその振る舞いではなく、演説の中身だ。「総会の形式は時代遅れだ」と指摘し、デジタル改革で各首脳がネット動画を投稿する形にすれば大幅に節約できると訴えた。

 極めて斬新なアイデアだが、検討の価値がある、と思った。世界中の首脳が航空機を利用し1カ所に集まる必要があるのか。温暖化問題で「飛び恥」という言葉さえ聞かれる中、常識にとらわれるべきではない。そう考え、その姿勢に共感した。

 何より15分ほどのスピーチは清新さにあふれ、聴衆を引き込む力があった。リーダーとしての十分な資質を感じさせた。

 半年前に国家の指導者に就いたばかりのブケレさんは、前任者の任期満了に伴う大統領選で圧勝した。選挙戦では、SNSを駆使し、汚職にまみれた政界を批判して支持を集めた。

 就任後、大きな失点は聞こえてこないが、貧困や失業、治安問題など深刻な課題を抱える母国のかじ取りは一筋縄ではいかないだろう。長く友好関係にある日本の支援も欠かせない。

 エルサルバドルはスペイン語で「救世主」の意味だ。世界では、フィンランドのマリーン首相(34)やニュージーランドのアーダン首相(39)など30代のリーダーが活躍している。来年こそは彼らが主役となって「自国第一主義」がまかり通る国際社会を変革してもらいたい。

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