日々小論

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 先日、岩手県大船渡市へ出張した際、三陸地域がいかに遠いかを思い知らされた。

 空港は仙台にも岩手・花巻にもある。いずれも伊丹から1時間強で便数も多い。仙台なら神戸空港からも飛び立てる。

 遠いのは、そこから先だ。

 花巻から大船渡へは、JR在来線と三陸鉄道で3時間前後。仙台からは東北新幹線と在来線、さらには津波で流失したJR路線跡を走るバスで、乗り換えも含め5時間前後を要する。

 新幹線を除けば、速度が遅く便数も少ない。空港だけではなく、岩手の県庁所在地・盛岡に行くにも事情は変わらない。時間がかかってたいへんでしょう-と現地で会った人たちに聞くと、異口同音に返された。

 「このへんはみんな、移動は車ですからね」。

 国は東日本大震災からの復興政策の柱として、三陸に全長約400キロの高速道路網を整備した。大半は無料だ。大船渡から花巻空港は1時間強、盛岡も仙台空港も2時間前後という。地元の移動だけでなく、水産物輸送や観光バスの呼び込みなどにも効果が期待されている。

 だが公共交通での移動がしにくいというのは、ビジネス客や海外からの観光客を呼び込むのにはマイナスだ。

 人口減が急速に進む中で、三陸の自治体は「交流人口」の増加を掲げる。さまざまな形で訪れる人を増やすことで、復興に弾みをつけ、地域の勢いを取り戻す狙いがある。

 それなら高速道路をつくるだけでなく、公共交通の強化にも、もう少し復興予算を割いてはどうだろう。決して外から人を呼び込むためだけではない。地元の人たちにとっても、年齢を重ねれば自らハンドルを握るのが難しくなるはずだから。

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