日々小論

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 沖縄県名護市辺野古を訪れる機会があった。宜野湾市にある米軍普天間飛行場の移設先となり、沿岸部の埋め立てが着々と進んでいた。そこで見た反対住民の姿は、よそ者にとってはどこかリアリティーに欠け、それがかえって目に焼き付いた。

 ここは、沿岸部の埋め立て計画がある米軍キャンプ・シュワブのゲート前。警備員が入り口をふさぐように隙間なく整列している。道路には搬入を待つ大型トラックやミキサー車の列。程なくして基地反対のプラカードを持った住民約20人が集まり、ゲート前にパイプ椅子を持ち込んで座り込んだ。

 住民の一人が歌い始める。「僕たちの人生は平和を求めて生きていけばいいのさ」。すると、どこにいたのか、警察官がぞろぞろと現れ、座り込みの住民に対して「交通の妨げになるので移動願います」と、歌をかき消すように警告を発する。

 そうした状態が数分間続いたかと思うと、警察官が3人がかりで住民一人ずつを担いでゲート脇まで移動し始めた。住民が全員、排除されると車列が動き出し、「美ら海破壊をやめろ」「サンゴをつぶすな」などのシュプレヒコールの中を次々とゲートの中へと入っていった。

 座り込みは1日3回行われ、12月27日で2千日を数えるという。いつ終わるとも分からない闘い。だが、ある住民は「一分一秒でも工事車両を遅らせればこの運動が全国にもっと広がり、いつか基地建設を止めることができる」と。

 青い海には痛々しげに冷たい護岸が横たわる。多くの基地が残った沖縄返還から47年。今、新たな基地建設が進む。今日もあの抗議行動は続いているはずだ。本土で暮らす一人として重い問いを突きつけられた。

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