日々小論

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 平岡農園(洲本市)は淡路の温暖な気候を生かして、3千本のレモンを栽培している。防腐剤などを使っていない、皮ごと食べられる貴重な国産レモンは関西の料理人にも人気だ。

 市街に近い小高い山の頂に広がる農園の木々は収穫期が終わると、寒さから守るために大きな布で覆われる。

 レモンを育て始めたのは2000年ごろだ。「温暖化でここでもできると思った。木はよく育つようになったが、去年の台風では大変な目にあった。これも温暖化なんだね」と生産者の平岡滋さん(70)は気候の変化を振り返る。

 昨年9月、記録的な高波で関西空港を水浸しにした台風21号の暴風雨は、大阪や兵庫の農業にも深刻な被害を与えた。平岡農園でもレモンの枝が折れ、傷ついた実の病害に悩まされた。

 実は国産レモンの産地は温暖化に伴って北上し、関東などでも栽培されるようになっている。レモンに限らず、暖かい地域の作物が栽培可能になる変化を温暖化のプラス面のように取り上げられることが目立つようになった。だが、忘れてはならないのは、同時に台風や大雨のリスクも高まっていることだ。

 気温上昇に伴って激化する気象災害。その脅威は日本のどこでも感じられるようになってきた。世界では、この気候変動の先にある食料危機を避けるために、化石燃料に頼る社会を変えるための議論が活発化している。石油依存度が高い農業は変革を求められている存在だ。

 コツコツ育ててきた作物の実りを暴風や豪雨で一気に奪われる。高温化で特産物が栽培できなくなる。そうした温暖化のリスクに正面から向き合って、農業の在り方を考えなければならない時代を迎えている。

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