日々小論

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 神戸・ポートアイランドの神戸商工会議所会館に中小企業の“駆け込み寺”がある。資金繰りに窮しても事業が続くよう手助けする「兵庫県中小企業再生支援協議会」だ。国が47都道府県に設け、兵庫では神戸商議所が運営を受託している。

 メインバンクや税理士などからの相談にまず応える。借入金の返済がままならず、新しい製品を開発する資金がなく設備も古いまま-といった悪循環を抜け出すため、金融機関に借入金の返済猶予などをしてもらい、再生計画を支援していく。稼ぐ力を高めるのが狙いで「磨き上げ」と呼ぶそうだ。

 協議会は不良債権の処理が加速していた2003年2月に発足した。今年3月末までの約16年間で窓口への相談は1182社、再生計画の支援先は445社に上る。

 ここに来て、後継ぎ問題が中小の悩みの種だ。経営者の年齢分布でピークとなるのは、1995年で47歳だった。それから20年後のピークは66歳。新陳代謝とは無縁のまま、平成が過ぎた。「黒字廃業」との言葉があるように経営が順風満帆でも後継ぎがいないケースがある。

 協議会が手掛けるのは、赤字がかさんでいたり、過剰債務があったりする例だ。

 中でも、経営者本人が負債の連帯保証をしていて再生が難しい場合、会社をたためば自身も多額の負債を抱え込むことになる。昨年9月に始まった「再チャレンジ制度」では一定の生活費を残し、債務保証を外す。合併・買収(M&A)は今や中小でも盛んだから、磨き上げをして売却する道もある。

 進むか、退くか。一企業の問題にとどまらず、地域経済の維持発展という大目的がある。決断できるのは経営者のみだ。

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