日々小論

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 米オレゴン州ポートランドは、全米一住みやすい街として人気を集めている。その街と神戸、兵庫をつなげる活動に取り組むオレゴン兵庫県人会長の篠原杏子さんを17日付編集委員インタビューで紹介した。

 週に500人以上が移住してくるという魅力の源には、環境に重点を置く民主的なまちづくりがある。ライトレール(新型路面電車)などの交通政策とともに興味深いのが「サーモンセーフ」だ。西海岸の自然と文化を象徴するサケを守るための地域主導型のエコ認証制度で、ポートランドに本部がある。

 サケたちがすむ河川などの水質を保全するため、農薬を減らす農家を認証する。家畜ふん尿の処理などの基準も設ける。オレゴンの自然を愛する市民たちが始めた活動は、北はカナダ・アラスカ州、南はカリフォルニア州にまで拡大している。

 ユニークなのは、対象が農業だけにとどまらないことだ。ワインや地ビールの醸造所から、ゴルフ場、企業や都市開発、大学、自治体などにも広がる。

 ポートランド市も2003年の公園管理課に始まり、環境局、運輸局、水道局も認証を取得し、今では市全体の方針になっているという。開発やインフラの更新が進むほど、街の環境的な価値が高まる。そうした街を舞台に「サケに優しいビール」など環境ブランド力のある商品が次々に生まれている。

 兵庫でも始めるべきと思う。例えば、農業のための「コウノトリ育む農法」を「コウノトリセーフ」に発展させることを考えてみてはどうだろう。

 生き物たちに認められる地域となるためのルールづくりは、住民や企業が地域のことを考えて行動する草の根民主主義の基礎ともなるはずだ。

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